和紙文化遺産とは
千年以上の歴史を持つ日本の伝統工芸「和紙」は、ユネスコ無形文化遺産に登録された貴重な文化遺産です。
和紙は単なる紙製品ではなく、日本の歴史、文化、精神性を映し出す鏡であり、長い年月をかけて育まれてきた技術と知恵の結晶です。しかし、現代社会においてこの貴重な文化遺産は、技術者の高齢化や後継者不足、生活様式の変化などによって存続の危機に直面しています。
紙文化国際交流協会では、この日本が世界に誇る和紙文化遺産を保護し、次世代に継承するための活動を積極的に展開しています。
和紙づくりの伝統 - 美濃和紙の技術
2020年制作・協会記録映像
私たちの取り組み

伝統技術の記録と保存
各地の伝統的な和紙製造技術を映像や文書で記録し、デジタルアーカイブとして保存。職人へのインタビューや製造工程の詳細な記録を通じて、貴重な技術と知識を後世に伝えます。
- 「日本の和紙職人」シリーズの記録映像制作
- 和紙製造技術のデジタルアーカイブ構築
- 伝統的な道具と材料のカタログ作成

後継者育成プログラム
若手職人の育成と支援を通じて、伝統技術の継承を促進。研修プログラムや奨学金制度を設け、新しい世代が伝統工芸に興味を持ち、継承者となる道を開きます。
- 和紙職人アプレンティスプログラム
- 若手職人への技術指導と経済支援
- 教育機関との連携による和紙教育

普及啓発活動
和紙文化の価値と重要性を広く社会に伝えるための展示会、ワークショップ、講演会などを開催。和紙の魅力を体験できる機会を提供し、文化遺産への理解と支援を広げます。
- 和紙文化展の全国巡回開催
- 体験型和紙ワークショップの実施
- 教育現場での和紙文化教室
和紙の歴史と文化的価値
和紙の誕生
中国から伝わった製紙技術が日本独自の発展を遂げ、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)などの原料を使用した和紙の製造が始まる。
和紙文化の発展
貴族文化の中で和歌や物語を書き記す媒体として和紙が広く使われ、装飾的な料紙(りょうし)や色紙など芸術性の高い和紙が発達。
全国への伝播と多様化
各地方で独自の和紙製造技術が発展し、美濃和紙、越前和紙、土佐和紙など地域特有の和紙が誕生。障子紙、襖紙、書道用紙など用途も多様化。
近代化と伝統の危機
西洋の機械製紙技術の導入により、伝統的な和紙製造は縮小。しかし、芸術的価値や文化的重要性から、一部の地域で伝統技術が保存される。
ユネスコ無形文化遺産登録
「和紙:日本の手漉和紙技術」がユネスコ無形文化遺産に登録され、国際的にその文化的価値が認められる。